病院に行くと看護師がいますが、ナース白衣を見て心が和む人もいます。
ナース白衣の起源はヨーロッパにあります。
人気が高いナース白衣の歴史を紐解いていきます。
18世紀の終わりから19世紀にかけてヨーロッパ医学の中心だったのはフランスです。
パリの医学はパリ学派と呼ばれて注目され、病院は医学の教育と研究の場として発展していきます。
医学を発展させるためには医師を補助して患者を看護する人が必要になり、看護の職業化が進みます。
ナースの起源は修道女
看護の近代化においてフランスは重要な国です。
修道院の修道女たちには様々な仕事がありましたが、そのひとつが看護でした。
当時のフランスは女性の役割が規範化されていて、生活全般のことは女性の仕事と考えられていました。
修道女の行いを通じて多くの人々が看護という行為を知ることとなります。
病気になったときにそばにいて世話をしてくれる看護師は白衣を着用しますが、昔はナースキャップをかぶっていました。
ナースキャップとは看護師がかぶる帽子のことです。
人気がありましたが、衛生面や安全面で支障をきたすことがあり男性の看護師が増えたこともあって徐々に廃止されます。
アメリカやイギリスの病院でも廃止されています。
ナースの帽子は修道女のベールが由来で、清潔で清楚という看護師の象徴でもあります。
日本では戦後アメリカの影響で看護帽子をかぶるようになりますが、アメリカでは1970年代頃から廃止する病院が増え日本でも廃止されることになります。
白衣は衛生管理のために導入されはじめた
ナースキャップと同様に看護師の象徴である白衣は、衛生管理のために導入されます。
医師の場合、白衣の歴史は紀元前のインドまで遡ることができます。
紀元前のインドでは医師は清潔であることが重要視されていたため、白い衣類を着用するようになります。
西洋医学の現場で白衣が登場するのは100年くらい前のことです。
近代的な白衣は戦後から始まります。
戦後に保健衛生法と環境衛生法が制定されたことで、清潔な白衣の着用が義務付けられることになります。
その結果、コットン100%の白いワンピースタイプが登場します。
1960年代は清潔感だけでなくデザイン性も重視されるようになります。
ケアが簡単にできるようにポリエステルなどの化学繊維も使われます。
1990年以降にになるとワンピースよりもパンツスタイルが多くなります。
最近では白だけでなく他の色のユニフォームもあります。
デザインも多彩になり、素材も伸縮性がある素材や透けにくい素材など様々な素材が使われるようになっています。